認知症とは
何らかの原因で記憶・判断力などの障害が起き、日常生活がうまく行えなくなるような状態で、主に4つのタイプがあります。
1.アルツハイマー型認知症
特徴:ものわすれ、見当識障害。認知症の75%の割合がアルツハイマー型。アミロイドβの蓄積や神経原線維変化が、海馬を中心に脳の広範に出現し、 脳神経細胞が障害される
2.脳血管型認知症
特徴:もの忘れ、感情をコントロールできない、 手足のしびれ。脳梗塞、脳出血などが原因で、脳の血液循環が悪くなり、 脳細胞が障害される
3.レビー小体型認知症
特徴:後頭葉で頭頂葉にレビー小体という異常なたんぱく質が溜まることで神経細胞が障害される。
幻覚・幻視・パーキンソン症状・うつ症状
4.前頭葉側頭葉型認知症
特徴:怒りっぽくなる。人格の変容。身だしなみに無頓着、 同じ言動や行動を繰り返す 人格が変わる、自発性低下。前頭葉と側頭葉を中心とする神経細胞の障害がみられる。
認知症患者の推定人数は、65歳以上の高齢者のうち約15%が認知症を発症しており、2025年には730万人と見込まれています。これは日本だけでなく世界全体でも同様に増加しています
認知症の症状
認知機能低下による記憶障害 注意障害 言語障害 理解力の低下 見当識障害 実行機能障害。
行動 暴言・暴力 無為・無関心 不安・鬱 妄想 徘徊 睡眠障害 幻覚
具体例
行動: 心理症状の一部
暴言・暴力: 感情のコントロールがしづらくなり怒りや衝動を抑えられない
無為・無関心: やる気がおきず、当たり前に行っていた習慣すら面倒くさくなってしまう
不安・うつ: できないことが増え自信を失い、気分が落ち込み、うつ状態になってしまう
妄想: お金への執着が強くなり、家族が財産を狙っているといった妄想が生じてしまう
徘徊: 今いる場所がわからなくなる不安などから、外出して目的なく歩き回ってしまう
睡眠障害: 体内時計の狂いから、寝つきが悪くなったり、朝早く目覚めてしまったりする
幻覚(幻視、幻聴): 周囲の人に見えていないものが見えたり、聞こえない音が聞こえたりする
認知機能低下による例
記憶障害
・何度も同じことを話したり、聞いたりする
・物をしまった場所や約束を忘れる
・火の消し忘れや薬の飲み忘れがある
注意障害
・注意力や集中力が低下し、同時に2つのことがしづらくなる
・会話についていけなくなる
・すぐに気が散ってしまう
言語障害/理解力の低下
・適切な言葉が、なかなか出てこない
・テレビの内容や相手の話が理解できなくなる
・意味が通じない言葉を話している
見当識障害
・時間や場所がわからなくなることがある
・季節にあった服装が選べなくなる
・家族や友人がわからない
実行機能障害
・家事や仕事の段取りが悪くなる
・計画的な買い物ができない
・電化製品などの使い方が分からない
”引用 サイトe-65.eisai.jp/basic/symptom/dementia/ Eizai相談e-65 「認知症について知ろう」参照”
認知症介護の3つのポイント
1.怒らない
2.押し付けない
3.否定しない
認知症予防を心がける
生活習慣病を予防 | 高血圧、糖尿病、脂質異常症、肥満などの生活習慣病は、血流の不足や脳の機能低下につながります。歯周病にも気を付けましょう。 |
運動する | 運動は脳を刺激して認知機能を向上させるため、認知症予防に効果的です。日頃から適度に身体を動かすこと |
達成感を味わう | 日常生活で楽しさや達成感を味わうことも認知症予防に効果的です。料理を作ったり、写真を撮ったり、日記を書いたりして楽しみましょう |
他人と交流する | 他者とのコミュニケーションは脳を刺激し、気持ちにも豊かさをもたらします。家族やご近所との会話や共同作業を大切にしましょう |
食事 | 食事では魚介類、野菜、果物、大豆、緑茶、ワインなどがいいと言われています |
デュアルタスク | 2つのことを同時に行うトレーニングや指体操、テレビゲーム、楽器の演奏なども効果的です |
環境 | 家の中のカビにも気を付ける |
まとめ
ご本人が望んでいる生活に取り入れ、無理なく生活できることが重要です。進行に応じて症状も変わりますので、認知症を理解して、適切な対応ができることが大切です。